ジャズ映画と聞いて「ラ・ラ・ランド」観てきました

今もの凄く注目されている映画「ラ・ラ・ランド」という作品観ましたか?
僕は普段、映画はあまり見ないのですが、主人公がジャズピアニストで、廃れてしまったジャズを情熱で復活させる・・・みたいなあらすじを聞いたのとその注目度からこれはと思って観に行ってきました。
(ちなみに最近仕事などが多忙で、ジャズモチベが大幅に下がっていたので、火つけの意味もありました)

ということで、ちょっと最近モチベ下がってるなあという人に紹介する意味も込めて感想でも書いてみようかと思います。いやあ、と言っても僕は映画通ではないので上手い感想は書けませんがね。笑

この映画はジャズピアニストであるセバスチャンと、女優を夢見るミアのラブストーリーなのですが、まあ今回ラブの部分は置いといて、笑

やっぱジャズってめっちゃかっけえわ

とひたすら想いました。気持ち良いくらい原点回帰しました。

個人的に「そうそうそれだよ!」と興奮したのが、セバスチャンがジャズに興味ないといったミアをジャズバーへ連れて行って熱く語るシーン。ミアにとってジャズは「リラックス」する音楽で、それこそカフェのBGM以上にはなれない音楽だったわけです。

そんなミアに「それは違う」と言うべく、「ジャズは耳じゃなく、目で楽しむもの」「ジャズは言葉の通じない人たちがコミュニケーションする手段だったんだ」と熱弁して、それに呼応するようにライブ中のジャズメンが自分の音楽解釈はこうなんだと主張するようにそれぞれがアドリブを回します。

長いことだらだらジャズやってるから麻痺しがちですが、やっぱり楽譜のない音楽って凄く面白いことだなあって再認識しました。そこにあるのはコードが書いてあるだけの紙っぺらだけ。たったそれだけを頼りに「こんな演奏はどうだ」「こんなのも面白いんじゃないか」と見せつけ合うかのようにセッションする。ジャズのライブは他のどの音楽より生ものだと思うし、台本がないから熱狂するし、だからこそ演奏者も全てのテイクでスリリングな緊迫感を持ってる。

なかなか受け入れらない音楽かもしれないけど、こういう風に映画で取り上げてもらって、少しでもジャズの知名度が上がっていくのは本当に嬉しいことだなあと思います。

ただ、色々突っ込みどころもあるんすよ笑

まずね、さっきと矛盾するようだけどもっとジャズライブのかっこよさに焦点を絞ったシーンがあってもよかったと思う。僕はあのシーンだけでヒロインのミアがジャズ好きになるってのは無理だと思うんですよ笑

音楽理解だ何だとか、そんな小難しい話じゃなくてさ。今このサックスはアドリブを弾いているんだと。今日というこの瞬間にしか生まれ得ない音楽を、こんなにもカッコよく、こんなにも熱く弾いているんだ。そして周りの楽器はそれに呼応するようにアドリブでそれに合わせているんだ。そういうジャズにしかない次に何が起こるか分からないワクワクと臨場感をもっともっと熱く伝えて欲しかったと思う。そうすれば主人公の「ジャズピアニストになりたい」という夢の熱量がより伝わってきて感情移入できたと思いますね。あと、モダンジャズに傾倒している主人公なわけですが、その練習シーンで結局ジャズジャズしい曲を一回も弾いてない気がする。笑 せっかくなら王道のスタンダード曲とか弾いて欲しかったなあ。なんか最後までセバスチャンのジャズに対する熱量というか、どんな音楽を貫きたいのかが分からなかったです。

次に、これ常々思っていたことなんですけど、僕はジャズ独特の「選民思想」みたいなのが大嫌いなんです。なんかさ、昔の伝統的モダンジャズが正解、それ以降の電子音に頼るようなファンクやらなんやらは全部邪道と言わんばかりの風潮、ありません?いや確実にありますよね。
ビルエヴァンズの良さが分からない奴は皆んなケツの青いガキ、みたいな感じ。僕はこの風潮が人々をジャズから遠ざけてしまった最大の要因なんじゃないかと思うんです。

主人公が「本当はやりたくなかった邪道のジャズ」としてシンセとかを多用するバンドに入って有名になるんですよ。このシーンは夢の妥協みたいな形で描かれてるんですね。本当にやりたいジャズを妥協して、ただ売れればいいだけの邪道ジャズに走ってしまった的な。いやー僕ねー、あれは感情移入できませんでしたわ。

だって、そのバンドのジャズもクッソかっこいいんだもん笑 超クールっすマジで笑

そもそも、巨匠たちのモダンジャズを正義とするのって、自由を愛するジャズとかけ離れてると思うんですよ。虐げられていた黒人たちが全てのしがらみから解放されて自由を謳歌するために編み出したのがジャズでしょ。なんでそれに「正解」なんていう束縛があるんでしょうね。

むしろ僕はその”邪道”バンドのリーダー、キースさんが言っているセリフの方が感動しました。

「ジャズを復興したくても聴いてもらえなきゃ復興できない。老人たちだけでなく若い人たちにもジャズの良さを知るために、ジャズは進化しなきゃいけない」

みたいな趣旨のセリフだったんですけど、本当その通りだと思うんですよ。モダンジャズが素晴らしいのは間違いない。事実、僕も大好きです。でも、そこにファンクやロックの要素が加わったフュージョン的な音楽も最高にクールじゃないですか。コンテンポラリージャズも超かっこいい。ポップスやゲームやアニメ等の有名曲をジャズアレンジしたような音楽だって本当に素晴らしい。邪道も王道もないと思うんですよ。だから、モダンジャズ以外が売れに走った邪道の音楽みたいな描き方をされるのは、あまり良い気分しなかったですね。

 

要は、入りをモダンジャズに限定しちゃうからジャズの敷居が高くなっちゃうわけで。どちらかというそういう”曲調”ではなく、”即興性と熱量”みたいな部分がもっとフォーカスされてくるとジャズは単なるカフェのBGMという認識から卒業できるんじゃないかと思います。

 

・・・なんだか、グダグダ書いちゃいましたが、「ラ・ラ・ランド」という映画自体を批判するつもりは毛頭ございません。本当に素晴らしかったです!

これを通して、もっと多くの人がジャズに興味持って欲しいですし、何より僕も仕事がどうのこうのだ言っていないでジャズライフを充実させたいなと原点回帰できました!観てない人は是非見てみてください!

 

ありがとうラ・ラ・ランド!!!

 

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